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路地裏バーのからくり書庫(民事法)

民法,商法などの裁判例,判例を紹介していきます。

差出人名は会社,印鑑は個人名の場合の通知の有効性

差出人名は会社,印鑑は個人名の場合の通知の有効性

島原簡裁平成19年1月31日判決・判例タイムズ1242号219頁

 

〈事案の概要〉

原告が,訴外株式会社西田建設(以下「本件会社」という。)に対し社会保険料債権を有してたところ,本件会社の工事請負代金請求債権を差し押さえて差し押さえ通知書を第三債務者に送達したところ,第三債務者は上記請負代金請求債権全額を供託したが,今度は原告は本件会社が有する上記供託金還付請求権を差し押さえ,その通知を供託官に送達したことにより供託金還付請求権の取立権を取得したとしてその確認を求めて出訴したのに対し,本件会社の従業員であった被告らは,本件会社より,被告らの本件会社に対する給料債権についての弁済として上記請負代金請求債権を譲り受けたとして争い反訴を提起している。なお,本件通知には,本件請負契約書において使用されていた本件会社の代表者印は押捺されていなかった。

 

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催告の内容証明の受領拒絶と時効中断

催告の内容証明の受領拒絶と時効中断

東京地裁平成10年12月25日判決・判例タイムズ1067号206頁

 

〈事案の概要〉

 原告は,被告野嵜和興(以下,「被告和興」という。)との間で平成4年3月23日,弁済期を同年9月30日とする金銭消費貸借契約を締結し,被告野嵜恵(以下,「被告恵」という。)はその契約を連帯保証した。

しかし,履行されなかったので,原告は被告和興に対し,平成9年7月10日,平成10年1月21日の二度にわたり督促状を普通郵便で送付した。

さらに,原告は,同年1月14日,同28日及び同年2月2日の三回にわたり,配達記録付郵便で不動産管理信託決算報告書お届けの件と題する書面等を自宅あてに送付したが,いずれも保管期間経過の理由で返送された。

原告は,同年3月23日に,配達記録付郵便で債務承認書を被告和興の事務所(同被告は司法書士事務所を開所していた)に送付したが,同事務所の事務員はその受け取りを拒否し,その封筒表面に「受け取りを拒否します」と記載して被告和興の印鑑を押捺して原告に返送された。

原告は,平成10年3月26日に配達記録付郵便で債務履行を催告をする書面を同被告の事務所あてに送付し,右書面は翌27日に配達されたが,同事務所の事務員はその受け取りを拒絶した。原告は被告恵の自宅に対しても書面を送付しているが,保管期間経過の理由で返送された。(なお,被告和興は,経済的に破たんしていたことにより事務所には出勤できない状態となっており事務所自体は継続していたものの事務員には同被告からしか連絡を取れないようにし,また,平成九年三月ころ家族が家を出て別居してからは同被告自身もあまり自宅には帰らず,帰宅しても深夜になることが多い状態だった。)

 そこで,原告は,被告和興及び被告恵に対し本件金銭消費貸借契約の履行を求めて出訴した。同訴訟の中で被告らは時効援用の主張をしたため,原告は,平成10年3月27日に被告和興に書面は到達したと再抗弁をしている。

 

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